3年間ちょっと勤めたNTTテクノクロスを退職しました

Posted: June 14, 2019

6/14に退職したので、退職エントリを公開することにしました。

NTTテクノクロスを退社して、LINEに転職しました。


Nanimono

Twitter: @_manji0

1994年製。早生まれ25歳児。ビールと日本酒と煙草大好きマン。趣味は筋トレ。

持ってる資格はAPとNWと普通免許のみ。

NTTテクノクロス(以下TX)という会社に2016年に入社して、以下のようなことをしてた。

TX入社まで

とある駅弁大学の工学部のシステム系の学科にいた。GPAは0.7くらいしかなかったがなんとかストレートに卒業できた。(記憶にある限り) 最初に内定が出た会社だったので、NTTソフトウェア(現TX)に入社した。

NTTで過ごした3年間

2016年度の学部卒として入社し、同期で1人だけOpenStackのチームに配属された。

ESや面接で「OSSの開発に取り組んでみたい」「これからはクラウドの時代だといわれてるし、個人的にもそうだと思うので興味はあるが、僕はその要素技術について何も知らない。そのあたりの知識を増やしたいし、技術検証だけでなくセキュリティ面での検討なども経験していきたい」みたいなアピールをした覚えがあるので、希望通りの配属と見てよいだろう。というかそのまんまである。

さて、TXでは学部卒は3年間、修士卒は2年間は「育成期間」として何をやっても評価が固定される & 昇給のレートが変わらないという制度がある。そのことを理解している上司から「興味のあることは何でもやっていいよ、いくらやらかしてもノーカンだから」と言われたので、その通り好き勝手やることにした。

1年目は気ままにOpenStackのNovaやNeutronの動作検証をしたり、JenkinsやAnsibleでおもちゃを作ってた。

2年目は社内でAnsibleの講師をやったり、OpenStackやミドルウェアの動作検証をしながら要件に合う構成を探りつつ、それをAnsibleに起こす仕事をしていた。あとは仕事でStackStormの検証をしてたので色々コミュニティに顔を出したりしてた。日本ユーザ会のボードメンバにもなったが、最近はほとんど活動できていない...すまぬ。

3年目はUbuntu bionicとOpenStack Queensが出てLTS祭だったので、前述の検証とAnsible書きをやり直した。ついでにOpenStack製社内クラウドをアップグレードしようという計画が上がったので、NW設計からスイッチのConfig書き、AnsibleでのミドルウェアやOpenStackのデプロイを主担当としてやり、稼動開始後はユーザ対応や障害対応をやっていた。

上記に並行して、NTTグループ各社が持ってるクラウド基盤の保守対応や、NTT Tech Conferenceの運営、研究所と一緒にNW系の研究なんかをしてた。

あとはOpenStack Summitに参加するために何回か海外出張を経験した。海外出張はかなり決裁が大変で、おかげで決裁文というか大人語を書くのがそれなりに上手くなった。現地宿泊の観光税を免税する書類にサインしてもらうために、ドイツ語の申請書を日本語と英語に翻訳して決裁文に添付したときは「僕は何をやってるんだろう...」となったが、今となってはいい思い出である()

こうして書いてみると「色々やったなー」という感じ。結構楽しかった。

転職活動

きっかけ

転職を考え始めたのは、前述の「教育期間」とセットになってるとある制度がキッカケである。

それは「教育期間が終わったら強制的に他部署へ異動を実施する」というもの。しかも、原則的には異動の数週間前にならないと異動先は知らされない。((異動に向けた人事面談が11月くらいにあり、そこで異動先のヒントが探れないかと思ったのだが、有効な情報は得られなかった))

「異動先が分かるのが数週間前」というルール下において「異動先が分かってから進退について考えよう」という戦略を取るのは、自分の精神的 & 肉体的ストレスのリスクが大きい。

部署が違えば人間関係も仕事の量も違って当たり前で、今の部署よりそれらが悪化することは十分ありえる。例えば人間関係のトラブルは数日単位でも精神力を消耗させる要因になるし、労働時間が急激に増えれば1ヶ月弱で肉体に影響が出てくるだろう。

例え異動後即で進退を決めたとしても、それを実施するまでのタイムラグができてしまう。転職活動はちゃんとやると数ヶ月単位の期間が必要になるので、その期間中は上記のような「仕事を続ける上でのリスク」か「無職としての精神的、金銭的なリスク」のどちらかを抱えることになるし、その結果として真面目に転職活動する精神的 & 時間的な余裕が確保できない恐れもある。

結論として「平和なうちから転職活動を始めておくことが合理的だ」と判断して、4月の異動を見据えて早めに活動を開始した。

顛末

確か11月末くらいにTwitterかどこかで「転職活動しよっかな〜」みたいなことを呟いたら、Googleのとある方から「うち受けてみませんか?」というDMが飛んできて活動開始したような記憶がある。

その方(公開していいか分からないので伏せる)には本当によくしてもらって、僕のひどい英語力から錬成されたクソザコ英文レジュメを根気良くレビューしてくださり、年明けになんとかレジュメが完成した。本当にありがとうございました。

レジュメと電話面接は通ったのだが、オンサイト面接で落ちてしまった。残念。

リクルータ、面接官のみなさんは驚くほどいい人たちだったし、選考プロセスも透明性があり、出てくる質問も「ある問題に対しての解決アプローチやプロセスを確認する」という目的に沿ったいいものばかりで、非常に満足感のある経験になった。あと社食がビックリするほどおいしかった。

次に受けたのがLINEで、これまたLINEのとある方からの紹介だった。

面接は丁寧で満足感が高かったし、応募職種とのスキルマッチを確認するという意味ではGoogleより納得感が高い内容だと感じた。

幸いにも先日内定が出て、オファー面談が実施された。その際にチーム内の文化や意思決定プロセスなどについて明瞭かつ納得感の高い説明を受け、LINEに入社することに決めた。

ということで、週明けからLINEのインフラSREとして働きます。

転職判断

LINEの内定よりも前に僕の育成期間は終わりを告げ、異動先は「社内の技術支援 & 開発文化醸成を担当するような組織」に決まった。ミッションの自由度は高く、目の前の業務に対する自分の裁量も十分あり、人間関係的にも問題無さそう、という感想。事前に想定してた異動先の中では大当たりだった。

異動によるマイナス点が特に無かったので、転職するかどうかは今後のキャリア設計と待遇の2つで比較して決めることにした。

まずキャリア設計について。前提として、僕はできる限り技術者として身を立てていきたいという思いがあった。なので「今把握してる自分の技術者としての強みを伸ばしていけるか」を考えた。

自覚できている僕の(技術的な)強みは低~中レイヤーの知見が多いことだ。OpenStackと戯れる中でLinuxやNWについては自然と詳しくなったし、必要とあらばNWのデザイン、LinuxカーネルのパラメータチューニングからOpenStackのコントローラのコード修正までできる。

あと、デザインパターンについてもちょっぴり分かる。Messaging QueueやRDBMSの特性、スケーラビリティを考慮したデザインについて、OpenStackを触ってた中で実感できたことがいくつもある。(手習い程度だが)

これらのスキルが必要になる分野が、僕が死ぬまでに衰退することはまず無いと思う。成長次第では「働き口と金には困らない」くらいになれるとも思う。世界中のサービス開発はクラウド、というか「所定のインターフェースを備えた計算資源をAPI一発で秒で用意できる」という仕組みにどっぷり依存していて、その仕組みを作るためには前者と後者の知識両方が必要だし、うまく使うにも後者の知識が必要になる。

僕の想像より早く技術が発展して「うまく使うことを意識しなくても、安定してスケールするサービスを作れる」ようになる可能性はある。それでも前者のスキルの需要がゼロになることは考えにくいので、できれば前者のスキルを優先して鍛えていきたいところだ。

さて、今の部署、というかTX社内には前者のスキルを成長させられそうな現場がほとんど無い。後者が求められるプロジェクトはあっても、両者を成長させられるような、例えば「IaaSやPaaSを作る」ようなプロジェクトは元いたチーム以外に存在しないように見えた(観測範囲)。

逆にLINEには両方のスキルを活かせる & 伸ばせる環境がある。インフラは自社開発で、大規模かつ性能と安定性が求められ、それらを追求した先進的なアップデートが継続されている。さらに社内ではそのインフラを前提にサービス開発がされており、インフラSREという立場であればその両方の視点から仕事を進めることができる。

ということで、「将来にわたって食っていけるようなスキル成長のためにどっちを取るか」を選ぶならLINEがいいだろうと判断した。

次に待遇について。待遇については、単純に数値で比較できる。具体的な額は書かないが、LINEから提示された待遇はTXで最速で昇進していくと仮定してもあと10年弱くらいは追いつけなさそう、というものであった。TXにはNTT特有の額面に表現されない手厚い福利厚生が存在しているが、そのあたりを勘案してもLINEの方が良いと判断した。

とはいえ、単純に「金が欲しいから」という理由で重視しているわけではない。今の給料と昇給ペースのままでも飢え死にすることはないし。将来のための貯金や資産運用資金であったり、親になにかあったときに家族を養ったりする余裕が欲しい気持ちはあるが、なんだかんだ金銭問題は何かあったときに考え始めてもなんとかなると思ってる。

大事なのはLINEが「僕が3年間で培ってきた」&「僕が今後伸ばしていきたい能力」に「NTT基準でエンジニアとして13年弱の経験を積んだレベルの評価を付けてくれた」ということ。

「どんな部分を評価してくれているのか」「どれだけの価値を生み出したのか」「価値を生み出した能力そのものにどれくらいの価値をつけてくれるのか」という認識を会社と合わせることは自分の成長方向をより価値ある方向に調整していくために必要なことだと思っているので、現時点で「自分のやってきたこと、やっていきたいこと」に「より明確に、より高い価値をつけた」LINEを選んだ、という話。

まとめると、「伸ばしていきたい能力と環境の話」にしろ「待遇の話」にしろLINEに行く方がTXに留まるよりプラスだな、ということで今回の決断をした。

判断要素として「会社や同僚への情」であったり、「銀行などから見た会社の信用ランク」なども考えるべきかと思ったが、そもそも情を他の何かと定量比較できるほどの人生経験が無いし、車や家をローンで買うつもりも無いので、今回は考慮しないことにした。いつかそういうところで後悔するかもしれないが、「行動した結果の後悔」は将来の自分に大人しく受け止めてもらうことにする。

...結局は「こっちの方が面白そう」という好奇心が一番大きいんだろうな。勘というか感情に従って動いてるだけで、小難しい理屈は自分への言い訳として用意しているに過ぎないのかもしれない。まあ自分の人生だし、好きに生きよう。

NTTについてぼんやりと思うこと

自社に対する思いは退職面談のときに会社側に伝えたので、NTT自体に思うこと、その中でも自分の中でぼんやりしていてツッコミがほしいところを書いていく。

社会的な視点で言えば、NTTは日本トップレベルの優良企業だと思う。

まず、生活する上で必須レベルのインフラを支えている。しかも品質は世界トップクラス。

そして、雇用を支えている。NTTがいきなり無くなったら失業する人は百万人オーダーになるだろう。

それと、技術を支えている。NTT研究所や事業会社の研究開発によって生まれた技術はごまんとあるし、「NTTで需要があるから」という理由でグループ外で生まれた技術も沢山あるだろう。

一国民として「NTTはそういうNTTのままであってほしい」と思っているが、転職していく一社員としては「このままでいるのは難しいだろうな」と思う。

世間的に需要の高いスキルを持ってる人たちは、優秀な人だけを集めて高効率で稼いでいる近代企業にどんどん吸われていっている。NTTの技術レベルや品質を保つことは人が吸われるにつれて難しくなっていくだろう。

また、NTTの中でいわゆる単純労働をやっている人たちは、恐らく自動化によるコストカットの流れに逆らえなくなる時期が来ると思う。かといってその人たちを再教育を通してNTT的に需要の高いスキルを持った人材に転換するのはすごくコストがかかるし、「再教育からドロップアウトしてしまった人をどうするのか」という問題もあるし。そんな感じで雇用事情も変わっていくと思う。

近代企業が吸わないタイプの人材を教育し、それを活かしたビジネスモデルに変えるとか、雇用制度を変えて近代企業との人材獲得競争に参加するとか... そんな口だけ解決策でどうにかなるならとっくにどうにかなってるだろうが。

後者はニュースにもなってた覚えがある。一部の会社では実際に適用され始めたという話も聞いてる。でもNTTでいう「高度人材」に対しては、金銭的な待遇だけ見ても事業会社間でまだまだ温度差があるし、そもそも金を渡すだけで簡単に片付く問題じゃないのでは? という思いもある。どうなっていくんだろう。どこかのタイミングで決壊するのか、スピーディに変化していくのか。

まあ自分から出ていっておいて無責任な物言いではあるが、愛着のある古巣ではあるので、状況の変化を見守っていきたい。

NTTテクノクロスの環境について

労働環境はいい会社だと思う。観測範囲における状況をまとめてみたら長くなったので別に書いた。就活生その他興味のある人は読んでみて。

おわりに

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